依存を繰り返して自分を責めるとき。行動の前後を振り返る方法
お酒を飲まないと決めていたのに、帰り道に買ってしまった。翌朝、「なぜ自分はこうなんだ」と考え続ける。そのつらさの中では、昨日何があったかを落ち着いて振り返るのも難しい。
自分を責める気持ちがあることまで、責めなくてよい。ただ、「自分はダメだ」という結論だけでは、次に同じ場面が来たときの手がかりが残らない。少し落ち着いたら、行動の前後を分けて書く方法がある。

「また飲んだ」を、三つに分ける
ABC分析は、行動の前に起きたこと(Antecedent)、行動(Behavior)、その結果(Consequence)に分けて見る考え方だ。行動分析学で使われる整理で、日々の記録にも応用できる。
たとえば、こんな書き方になる。実在の投稿ではなく、記入例だ。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| A:その前 | 仕事で注意され、夕食を取らずに帰宅していた |
| B:行動 | いつものコンビニでお酒を買って飲んだ |
| C:そのあと | その場では気が紛れたが、翌朝起きられず仕事に遅れた |
「意志が弱い」と書くより、空腹だったこと、通った場所、飲んだあとの支障が見える。どれが関係したかは、一回で決めなくてよい。似た場面が何度か出てくれば、相談でも説明しやすくなる。
後悔をなくすより、次の対応を決める
昨日のことを後悔しなくなる必要はない。その気持ちとは別に、今日変えられる行動を考えておける。
帰る前に食事を取る、店を通らない道を選ぶ、つらくなったら話す相手を決める。一度に全部変えようとせず、実行できそうなものを一つ選ぶ。場面と対応を結びつける書き方は、「次に同じ場面が来たら」を決める記事で扱っている。
アルコールの離脱症状や、止められない飲酒がある場合は、記録だけで対処しようとせず医療機関へ相談する。今起きている害への対応も必要だ。
できたことも、事実として残す
飲まなかった日や、賭けずに帰れた日には、何が違ったのかも書ける。誰かと食事をしていた、財布の使い方を変えていた、早めに寝られた。うまくいった条件は、次に使える材料になる。
励ますために良いことだけを選ぶ必要はない。「三日は飲まなかったが、四日目に飲んだ」と両方書いてよい。連続日数だけでは消えてしまう情報を残せる。

一人で書くと、責める言葉ばかりになるなら
記録するほどつらくなる場合は、少し離れてもよい。医療者や相談員、同じ経験を持つ仲間と一緒に振り返る方法もある。QuitMateのようなコミュニティでは、話せる範囲のことから書き始められる。
最初の一行は、「昨日は、帰る前からお腹がすいていた」くらいでよい。その日の出来事が残れば、次に話すときの出発点になる。
参考文献
- Cooper JO, Heron TE, Heward WL. Applied Behavior Analysis. 3rd ed. Pearson, 2020. ABC分析の背景。
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