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依存症の家族をどこまで助ける?借金や後始末との境界線

家族 Read in English

借金を返してほしいと言われた。職場に欠勤の連絡をしてほしいと頼まれた。断ったら何が起こるのか心配で、今回も引き受けてしまった。

こうした経験のある家族に「尻拭いはやめましょう」とだけ言っても、明日の対応は決まらない。家計を共有している、子どもがいる、断ると怒鳴られる。それぞれに事情がある。

家族の支え方と境界線を考える

「イネイブリング」と言われたら

本人を助けるための行動が、結果として問題のある行動を続けやすくしてしまうことを、イネイブリングと呼ぶことがある。たとえば借金を繰り返し肩代わりすると、新たに賭けるお金を確保できてしまう場合がある。

ただ、この言葉を使って「家族が依存症を続けさせた」と結論づけるのは適切ではない。家族は目の前の危機に対応してきたのかもしれないし、安全のために断れなかったのかもしれない。過去の判断を責めるより、これから引き受ける範囲を具体的に決めたい。

お金を渡す以外にも支援はある

「助けるか、見捨てるか」の二択にすると、断りにくくなる。何を頼まれたのかを分けると、対応の選択肢が増える。

頼まれごと家族から提案できる対応の例
借金を代わりに返してほしい肩代わりをその場で約束せず、債務相談の窓口を一緒に探す
職場に別の理由を伝えてほしい事実と違う説明は引き受けず、本人がどう連絡するかを考える時間を取る
生活費が足りないから現金がほしい家計と必要な支払いを確認し、金銭管理の方法を相談する
病院に行くのが不安希望があれば予約方法を調べたり、受診に付き添ったりする

これは一律の正解ではない。共同の口座、住居費、子どもの費用が関わるなら、家族の暮らしへの影響も含めて相談が必要になる。本人を困らせるために食事や医療を取り上げる、といった対応にはしない。

借金については、返済の約束をする前に法律相談を利用できる。家族に支払い義務があるかどうかも、保証などの事情によって異なる。状況を整理して法テラスの借金相談案内などで相談先を探したい。

断る内容を一つに絞る

落ち着いて話せる状況なら、次のように具体的に伝える方法がある。以下は会話の例だ。

「今回の借金を、私のお金で返すことはできない。相談先を調べることなら一緒にできる」

「あなたのためを思って」という説明を重ねるより、自分がすること・しないことをはっきりさせる。相手が納得しないからといって、その場で必ず合意を取る必要はない。

家族の間でも方針が違うことはある。まずは自分が何を負担していて、どこに限界があるかを書き出す。本人を説得するための作戦会議だけでなく、家族側の困りごとを支援者に持ち込んでよい。

「底をつくまで待つ」必要はない

大きな損失や危機を経験すれば必ず変わる、という保証はない。家族が危機を演出したり、助けを求める機会を先延ばしにしたりする必要もない。

本人が受診しなくても、家族だけで相談できる。CRAFTは、そのような状況で使われる支援の一つだ。関わり方を学ぶことに加え、家族自身の生活を立て直すことも扱う。

暴力や脅しがある場合、この記事の会話例を試すために危険を冒さないでほしい。安全な場所への移動や、警察・地域の相談機関への連絡を優先する。酩酊して意識がないなどの緊急時も、「後始末をしない」と考えて医療を控える場面ではない。

相談で最初に話す内容は、「本人をどうやめさせるか」でなくてもよい。「借金を頼まれるたびに眠れない」「断るのが怖い」。その困りごとだけでも、家族支援や家族会を利用する理由になる。

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