オナ禁でテストステロンが増えるという幻想

「7日間射精しないと、テストステロンが145.7%増える」。オナ禁の効果として紹介されるこの数字には、まず読み違いがある。
出典とされる2003年の論文に書かれているのは、7日目に値が基準値の145.7%になったという記述だ。増加分なら45.7%に当たる。145.7%増なら基準値の245.7%になるので、意味が違う。
そして、この論文は2021年に撤回されている。数字の訂正だけで、オナ禁の健康効果を示す根拠として使えるようになるわけではない。
元の研究は何を調べたか
Jiangらの論文の抄録では、28人の男性の血中テストステロンを、射精後の禁欲期間に測定している。筋力、集中力、対人関係がどう変わったかを調べた研究ではない。
出版元の撤回通知は、先に中国語で発表された論文との大幅な重複を理由としている。この撤回理由を「測定結果のすべてが虚偽と判明した」と言い換えるのも正確ではない。
ただし、撤回された小規模な研究一つを根拠に、禁欲を続ければテストステロンが高い状態を維持できる、あるいは筋肉がつく、と勧めることはできない。
ホルモンの数字から、日常の効果までは言えない
ホルモンの測定値に変化が見られたとしても、本人にとって意味のある健康上の利益があるかは、別に確かめる必要がある。
「自信がついた」「人と話しやすくなった」という体験があっても、睡眠や行動が変わった可能性がある。射精を控えたことによるホルモンの効果と、投稿だけで結びつけることは難しい。
ISSMの解説では、マスターベーションは通常の性行動として扱われている。回数をゼロにすることを、誰にでも必要な健康習慣とはしていない。
ポルノの視聴で困っているなら、その問題を扱う
夜更かしが続く、仕事や約束を後回しにする、減らそうとしても長時間見てしまう。こうした困りごとがあるなら、生活への影響を減らすことを目標にできる。
射精しなかった日数だけでは、その変化は測りにくい。寝る時刻を守れたか、予定を取りやめずに済んだか、見始めるきっかけは何だったかを記録してみる。
性機能の不調がある場合も、ポルノだけを原因と決めず、医療機関で相談したい。性医学の専門家による解説は、性行動の問題を評価するときに、ほかの疾患や罪悪感との区別も必要だとしている。
目的を整理する話はオナ禁の効果をどう考えるかに、視聴習慣を見直した記録はポルノをやめて2週間の記事にまとめた。
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オナ禁の本当の効果
「テストステロンが爆上がりする」「集中力がゾーン入りする」と言われる一方で、「全部嘘、疑似科学だ」と切り捨てる声もある。100日以上続けたユーザーが書き残していたのは、それとは別の話だった。